ピザブームは近年ずっと続いており、大手資本の宅配ピザ店だけではなく、本格的なピッツェリアや間借り営業の簡易的なピザ店など、バリエーションも豊かになってきています。そうしたブームのなかでピザへの新規参入も増えていますが、ピザづくりにおいて重要なのは「オーブンの温度」です。
それではピザを作るうえで最適なオーブン温度は、どれくらいなのでしょうか。今回はペレット燃料で焼く新世代オーブンKIYAKIの使用を想定した、ピザの調理に最適なオーブン温度について、ほかの料理のオーブン温度とあわせて解説していきます。
1. 美味しいピザを作るには短時間で焼き上げることが必要
ピザは生地を成形し、肉や魚やチーズや野菜などのトッピングを加えて焼くだけなので、非常に多くの調理法が存在します。最もシンプルなものでは、フライパンで焼く方法もあるほどです。冷凍ピザの場合はレンジでチンする方法もあり、焼くことが必要であれば電子レンジのオーブン機能で10分くらいかけて、じっくり焼きあげる方法もあります。いってしまえばピザというのは、材料さえそろえばだれにでも簡単に作れてしまう料理です。
しかし一般的に家庭にて自分で作って食べるピザと、本格的なピザ屋さんで食べるピザには、大きな質の隔たりを感じることでしょう。その秘密はなんなのかというと、「焼きあげるオーブン温度の差」つまり「オーブンの性能」が、大きく関係しているのです。
本格的なピザ屋では、ピザを「高温かつ短時間で焼きあげる」ことを、なによりも重要視しています。ピザなんてレンジでも作れると安易な気持ちで業界に参入しても、さっぱり売れないことでしょう。それは家庭で作るクオリティと、なんら変わりがないためです。プロとしてピザ屋を開業するのなら、業務用のピザ窯やオーブンを導入して、焼き方にもしっかりこだわることが重要です。そこまでしないといわゆる「お店の味」は出せない、と言い切ってもよいでしょう。
2. ピザを作るにあたってなぜ業務用のピザ窯やオーブンが必要なのか
ピザ店を開業するなら、業務用のピザ窯やオーブンを導入する必要があると書きました。それはいったいなぜなのでしょうか。
その大きな理由は、「ピザは業務用のピザ窯やオーブンで作る方が、圧倒的においしい」からです。そしてなぜそういえるのかというと、ピザ窯の構造が家庭用の調理環境とは大きく異なるためです。ピザ窯の多くは、ドーム状の形をしています。そうした形になっているのは合理的な理由があって、薪や燃料を使って直火で加熱していくとき、炉内が均一に加熱されるというのが大きいのです。こうした構造のおかげで、ピザ窯を使えば高温かつ短時間での調理ができます。
均一に加熱されると場所によって温度差がなく、全体が一定の温度で加熱されるので、焼きムラが生まれません。また場所によって焼きムラが生まれないことは、加熱しすぎて水分や旨味が飛びすぎないことにもつながります。ピザのおいしさの肝となるのは、この適した水分と旨味のため、このメリットだけでも導入の価値はあるといえるでしょう。
またKIYAKIでも使える石窯では、輻射熱が遠赤外線効果を生み、食材の内部まで火を通せるようになるのです。こうして生焼けも防げます。
3. ピザの調理に最適なオーブン温度は何度？
それではいよいよ、ピザの調理に最適なオーブン温度を解説していきましょう。
プロのピザ職人は、ピザの調理に最適な温度をどのように目安にしていくのでしょうか。一般的にピザ職人は石窯を用いてピザを焼きあげますが、石窯で焼く場合に重要となるのは、「炉床板温度」と呼ばれる温度です。炉床板温度とは、窯でピザが焼きあがる炉内における床板とその周辺の温度のことです。専用の温度計を用いることで、詳しく計測できます。
伝統的なナポリピッツァを守るために1984年に設立された、ナポリの「真のナポリピッツァ協会」では、ピザを焼く理想的な環境を以下のように設定しています。
- 炉床温度：おおよそ485℃
- 窯の天井温度：おおよそ430℃
- 焼き時間：60秒～90秒
このようにピザの調理に最適なオーブン温度は、伝統的に受け継がれることで決められているのです。炉床温度を目安として、炉内全体は480℃～540℃くらいの温度にするのが、最適なオーブン温度となります。
なぜ一般の家庭用オーブンレンジでは出せないような高温が必要なのかというと、これがさきほど申しあげた、「おいしいピザを作るには短時間で焼きあげることが必要」という理由からです。これが60秒～90秒という、短い焼き時間に関係していきます。
4. ピザ以外の料理の調理に最適なオーブン温度は？
それではピザ以外に、オーブンで焼きあげる料理に最適なオーブン温度はどのくらいなのでしょうか。
たとえば表面がカリっとしていて中身がふんわりしたパンを焼く際には、おおよそオーブン温度を250℃に設定して、6分～10分という短時間で焼きあげる必要があります。しかし菓子パンの場合は最適なオーブン温度はこれより低くなり、おおよそ195℃前後が最適です。
菓子パンもですが、焼き菓子は比較的低めのオーブン温度に設定します。スポンジケーキの場合では、160℃～170℃で35分、じっくり時間をかけて焼くのです。または180℃で25分、短めの時間で焼くレシピもあります。これも高温で短時間焼くことで、よりしっとり感をケーキのなかに閉じ込める意味あいがあるのです。
肉料理の場合は加熱方法により温度は異なりますが、低温調理の場合は150℃前後、高温調理の場合は250℃前後が目安となります。
このように料理によって最適なオーブン温度は異なります。とくにピザやパンといったメニューでは、高温での調理が多くなりますが、短く焼こうとすればするほど温度は高くなると考えましょう。そうした高温・短時間での調理から、低温・長時間の加熱まで幅広い用途で使えるのが、KIYAKIです。
温度調整が細かくできるうえに、加熱の度合いに応じて燃料を自動投入してくれるなど機能性が抜群です。繊細な温度管理の技術がなくても、おいしく焼きあげられます。
5. まとめ
今回は主に業務用のオーブンを使った場合の、ピザをはじめとするさまざまな料理に最適なオーブン温度を解説しました。とくにピザは短い時間で焼きあげると最もおいしくなる料理であるため、オーブン温度は非常に高くなります。
そうした温度を実現するためには石窯が必要ですが、KIYAKIでもピザ窯部分は蓄熱性の高い石を使用しています。
KIYAKIは木質ペレットという細粉した木材を再度圧縮することで、燃料としての機能性を高めた新世代の燃料を用いています。地球にも優しく、コストパフォーマンスに優れているのです。加熱のレベルに応じて燃料の自動投入もすべて内部で行ってくれるため、だれでも扱いに困ることはありません。多様なメニューを提供する飲食店様は、ぜひ導入をご検討ください。
